症状別のお悩み
婦人科疾患
生理痛
妊娠・出産という役割を担う女性にとって、生理は健康状態の影響が強く現れる、非常にデリケートなからだの仕組みといえます。程度の差はあっても、生理痛は女性なら誰もが経験する症状といえるでしょう。とくに、子宮の発育が十分でない若い女性に多いといわれています。悩んでいる女性にとってはとてもつらいものですが、対処の仕方がわからず、鎮痛剤を飲むなどの一時的な対処ですませている女性が大半です。
ところが生理の悩みは、痛みだけでなく、イライラ、吐き気、お腹の膨満感などを伴うことが多いため、対症療法的な鎮痛剤では十分に改善されないという不満が残ります。
漢方では、生理痛を引き起こしている根本の原因を探って治療しようとします。人間のからだの中では、「気」「血」というエネルギーや栄養物質が流れ、からだに栄養を与えて生命活動を支えているとされます。生理のはたらきも、子宮に栄養物質が十分に行き渡ってこそ正常に機能するわけです。
ところが、何かの原因によって子宮に栄養が行き届かなくなると、からだに変調をきたします。これが生理痛です。子宮に栄養が行かなくなる原因には、「血液の循環が悪い」「栄養が不足している」、などが考えられ、こうした状態を改善することで痛みなどの症状が治まります。
冷え性
同じ環境の中にいても、特定の人だけが冷えを訴えることがあります。このように、普通の人は冷えを感じないようなところで、手足や腰、全身に冷えを感じる人を「冷え症」といいます。私たちのからだの中には、陽気というエネルギーが全身をめぐっています。陽気は経絡(けいらく)という通路を通りながら、全身を温めるはたらきをしています。ところが、何かの原因で陽気が滞ったり不足したりすると、からだを温めるエネルギーが不足して冷えが生じます。冷えは、陽気のはたらきに左右されるといえるでしょう。 冷えは、「実の冷え」と「虚の冷え」とに分けられます。実の冷えは、経絡を流れる陽気が滞り、円滑に流れなくなることによって起こります。冷えを受けると、筋肉が収縮するだけでなく、経絡も収縮して陽気の流れが悪くなります。このため、栄養・エネルギー物質が体内に行き渡らなくなって冷えが生まれるのです。また、血液循環が悪くなることによって陽気が滞り、冷えが起こることもあります。こうした実の冷えは、総じて手・足・腰などの「一部分が冷える」ことが特徴です。一方、虚の冷えは、陽気そのものの不足によって起こります。陽気が不足する原因には、加齢による場合と、虚弱体質や術後の体力低下による場合が考えられます。こうした虚の冷えには、「全身が冷える」という特徴があります。